国際的な親による子の奪取に関する共同声明

2009年10月16日

*下記の日本語文書は参考のための仮翻訳で、正文は英文です。

一方の親が、他方の親と子供との接触を拒絶する意図を持って、子供を国外に連れ出してしまうことは、すべての関係者にとって悲劇である。オーストラリア、カナダ、フランス、イタリア、ニュージーランド、スペイン、英国、米国はいずれも、子供たちをこの悲劇から守るために締結された「1980年国際的な子の奪取の民事面に関するハーグ条約」に加盟している。

ハーグ条約は、国境を越えて子供を不法に連れ去る、あるいは留め置くことの悪影響から子供たちを守ることを目的としている。さらに、同条約では、適切な管轄裁判所で親権に関する決定を下すことができる、常居所がある国に子供を速やかに戻すための手続きを規定している。また、いずれの親に対しても、子供と面会する権利の保護を保証している。現在までに、80カ国以上が同条約に加盟している。

日本は、G7の中で唯一、ハーグ条約に加盟していない。日本へ、あるいは日本から子供を連れ去れらた親には、子供を連れ戻す望みが現実的にほとんどなく、子供に面会して、親としての権利を行使し、責任を負うことが非常に難しくなっている。

日本が関係する、親による子の奪取は、私たちの国の非常に多くの国民に影響を及ぼしている。そのため本日は、カナダ、フランス、イタリア、ニュージーランド、スペイン、英国、米国の各国駐日大使、および在日オーストラリア大使館首席公使が千葉法務大臣を訪問し、私たちが懸念する問題について申し入れをした。

私たちは、国際的な親による子の奪取の犠牲者となってきた子供たちの福祉を最優先事項としており、子供はどちらの親とも面会して成長すべきであると信じている。したがって、千葉大臣との面談では、日本がハーグ条約に加盟するよう要望した。その一方で、子供と引き離された親が、子供と接触を保ち、子供を訪問することができるようにするための措置を講じて、これを実施することも、日本に求めた。

日本は、私たちのそれぞれの国にとって大切な友人であり、またパートナーでもある。そして、私たちと多くの価値観を共有している。だからこそ、日本での親による子の奪取の事例で、具体的な解決策を見出すことが重要なのである。私たちは、この問題に関して、日本の新政権と緊密に、かつ積極的に協力することを切望している。