オーストラリア、ベルギー、カナダ、コロンビア、フランス、ドイツ、ハンガリー、イタリア、ニュージーランド、スペイン、英国、および米国の各国駐日大使、および欧州連合代表部代表による国際的な親による子の奪取に関する共同声明
*下記の日本語文書は参考のための仮翻訳で、正文は英文です。
2010年10月22日
オーストラリア、ベルギー、カナダ、コロンビア、ドイツ、イタリア、ニュージーランドおよび米国の駐日大使、欧州連合代表部の臨時代理大使、在日 スペイン大使館および英国大使館の次席代表、および在日フランス大使館の政務参事官は、本日、日本の法務大臣を訪問し、日本がかかわり、われわれの国民と 日本国民双方に影響を及ぼす国際的な親による子の奪取の事例が増加していることへの懸念を表明し、日本が「1980年国際的な子の奪取の民事面に関する ハーグ条約」を批准するよう要望した。
ハーグ条約は、関係する者すべてにとって悲劇となり得る国境を越えた不法な連れ去り、または留め置きの悪影響から子供たちを守ることを目的として いる。さらに同条約は、子供が不法に連れ去られた、あるいは留め置かれた時点で常居所があった国に、子供を速やかに戻す手続きを規定し、いずれの親に対し ても子供と面会する権利の保護を保証している。しかし同条約は、常居所があった国に戻せば子供が身体的あるいは精神的な危害を受ける、または耐え難い状況 に置かれる危険性が高いことが証明された場合には、子供を常居所があった国に戻すよう命令することを加盟国に義務付けてはいない。現在までに、本日共同で 申し入れた12カ国を含む82カ国が、ハーグ条約に加盟している。
日本は、G7の中で唯一、ハーグ条約に加盟していない。現在、日本へ、あるいは日本から子供を連れ去られた親には子供を連れ戻す望みがほとんどなく、子供と面会し、親としての権利を行使し、責任を担うことが非常に難しくなっている。
柳田稔法務大臣との会談において、私たちは、国際的な親による子の奪取の犠牲者となってきた子供たちの福祉を最優先としていることを重ねて説明 し、子供はどちらの親とも接触を保ちながら成長すべきであると強調した。また、東京で開催されたシンポジウムへの参加や、法務省と外務省との連携など、日 本政府による前向きな対応に勇気づけられていることを伝えると同時に、子供を連れ去られた日本国籍の親にとっても利益となるハーグ条約を日本が批准するよ う再度要望した。さらに、私たちは日本に対し、子供と引き離された親が、子供と接触を保ち、子供への訪問を可能にする暫定的措置を示し実施し、現在存在す る子の奪取の事例解決に向けた枠組みの構築を求めた。
日本は、私たちそれぞれの国にとって大切な友人であり、またパートナーでもある。そして、私たちと多くの価値観を共有している。このことが、日本 で起きている親による子の奪取のすべての事例について、直ちに解決策を講じるための基礎になると確信している。2009年10月に千葉法務大臣(当時)、 2010年1月に岡田外務大臣(当時)と会談した時と同様、私たちは柳田法務大臣に対し、この重要な問題に関して、日本政府と引き続き緊密かつ積極的に協 力していくと伝えた。