「全米行方不明の子どもの日」(5月25日)に際したクリントン国務長官の声明

*下記の日本語文書は参考のための仮翻訳で、正文は英文です。

2011年5月24日

 昨年、2000人近くの子どもが親によって米国へ、あるいは米国から連れ去られました。毎週ほぼ40人の子どもが自分の家や愛する人たちから引き離されたことになります。子どもの連れ去りは子どもだけでなく、その親、友人、家族にも心の傷を負わせます。国際的な親による子の奪取は非常に多くの人につらい苦しみを与えており、私はこの問題を深く憂慮しています。

 国務省は子どもの連れ去りの防止と、このような非常に複雑な状況に置かれた子どもと家族の支援に力を注いでいます。領事局児童課の献身的な職員が毎日、子どもの連れ去りに巻き込まれる恐れのある家族や子どもの支援に取り組んでおり、子どもの旅券発給警告プログラムのような、国際的な子の奪取の防止手段を親が利用できるよう手助けしています。

 一方、実際に子どもが連れ去られた場合には親と協力して適切な対応策を明らかにし、子どもを連れ戻すために役立つ方策を見つけ出します。2010年には米国と世界各国で575人を超える子どもを家族のもとへ連れ戻す手助けをしました。

 こうした取り組みは個々の家族に対するものだけにとどまりません。私たちは外国政府に対し「国際的な子の奪取の民事面に関するハーグ条約」への加盟を働きかけています。米国はハーグ条約を通じて68カ国と協力関係にあり、私たちはこの数が増えることを望んでいます。ハーグ条約はこのような難しい事例を解決し、より多くの子どもたちに家に戻る機会を与えるために必要な手段です。

 「全米行方不明の子どもの日」に際し、最も弱い立場にある米国市民である子どもの安全を守るために、今後も毅然(きぜん)とした態度で発言し、自分の役割を果たしましょう。そして世界中の子どもたちが家に戻れるよう支援しましょう。

 クリントン国務長官のビデオメッセージはこのサイトでで視聴可能(英語)。