カーター国防副長官がオスプレイの安全性に対するコミットメントを強調

2012年7月21日

*下記の日本語文書は参考のための仮翻訳で、正文は英文です。

 アシュトン・カーター米国国防副長官は、東京で行われた一部記者団との会見で、垂直離着陸輸送機MV-22「オスプレイ」の配備に際しての安全性に対する米国のコミットメントを強調した。カーター副長官はMV-22について、「その耐空性を調査、分析し、再確認するまで日本での飛行は行わない」とする日米両政府の共通の立場をあらためて表明した。以下は同副長官の発言からの抜粋。

オスプレイ配備の時期について

 「重要なのは日程ではなく、耐空性と安全性だ。この点について、日米は協力して取り組んでいる。両国は、耐空性を調査、分析し、再確認するまで、オスプレイの日本での飛行は行わないということで合意した。従って重要なのは日程ではなく、耐空性である」

オスプレイの耐空性評価について

 「これは耐空性を評価する技術的なプロセスだ。専門家の手に委ね、彼らがデータを入手できるようにする必要があると思う。それが現在の計画だ。しかし繰り返すが、専門家に作業をしてもらう必要がある。ところで、こうしたことはなにも目新しいことではない。日米両政府、および米軍と自衛隊は、多数の航空機を運用しており、同じ機種の航空機を運用することもある。従って、日本の専門家に耐空性の問題に取り組んでもらうのは、珍しいことではない。それは軍用機のみならず民間航空機についても同様だ。あらゆる種類の航空機の飛行の安全性を確認する通常の作業の一環だ」

 「安全性への懸念は日米同盟に悪影響を及ぼしてはいないと思う。こうした懸念は当然のことであり、対処する必要がある。我々は対処するつもりだし、その予定だ。このプロセスは日米同盟の強さを反映している。両国は今後の方向性について合意している。飛行の安全性に関する日本国民の懸念については私も十分理解している。私も飛行の安全性については関心を持っているからだ。その点について全く問題はない。これらは重大な技術的問題であり、いずれ解決される」

 「耐空性の判定は、運用する航空機の全機種について常時、絶えず行われている。ご承知のように、日米が運用している航空機の中には同機種のものが多数ある。ヘリコプター、プロペラ機、ジェット機など、自衛隊機か民間機かを問わず、日本の航空機が毎日、世界中の空を飛んでいる。そのため、耐空性には常に関心が持たれている。先ほども申し上げたように、私も国防副長官として、耐空性については常に関心を持っている。なぜなら米国のパイロットたちが毎日、あらゆる機種の航空機を世界中で操縦しており、航空機には耐空性と安全性が不可欠だからだ。MV-22についても同様で、他の航空機と何ら変わらるところはないと考えている。これは全く当然であり、日本の国民や政府がこうした問題を提起するのは全く問題ない」

オスプレイの機能について

 「オスプレイが重要な役割を果たすとの指摘は、まさにその通りだ。オスプレイは、抑止政策や日米同盟の抑止力に対し、新たに重要な貢献をすることになる。また世界中で運用を予定している航空機である。一方で、安全性は非常に重要な問題であり、申し上げたように、私は国防総省で統括管理責任者という立場にある。航空機の安全性は私にとって大きな関心事であり、大きな責任でもある。私自身はこの問題を非常に重く受け止めており、日本政府と日本国民も同様に重く受け止めていると考えている。全く当然なことだと思う。我々は、先に発生した2件の事故を含む、MV-22の全ての飛行記録に関する全データおよび情報を、航空機の耐空性に関する日本の専門家に提供し、彼らがそのデータを分析し、オスプレイの耐空性の再確認に必要な全ての措置を取ることができるようにすると約束している。また日米両政府は、耐空性が再確認されるまで(オスプレイの)運用を始めないことで合意している。オスプレイの陸揚げに関する質問については、これは技術的な措置であり、安全性の問題とは関係ない。これは技術的な措置であり、オスプレイは岩国に陸揚げの予定だ。しかし、日米両政府が合意したこの計画は、安全性の問題に対処するものだ」

掲載 2012年7月24日