ルース大使、九州で交流を深める

ヤフードーム(福岡市)で開催されたホークスカップ中学硬式野球大会の参加選手と共に記念撮影に収まるルース大使(前列左から5人目)

ヤフードーム(福岡市)で開催されたホークスカップ中学硬式野球大会の参加選手と共に記念撮影に収まるルース大使(前列左から5人目)

 ジョン・ルース駐日米国大使は8月7日から9日までの日程で九州を訪問した。この訪問で九州の幅広い層の人たちと会い、九州独自の歴史や文化を垣間見た。

 福岡市の西南学院大学では、約50人の学生の前でスピーチをし、日本の次世代のイノベーターや起業家となるよう奨励した。また、活発な交換留学プログラムで知られている同大の学生たちに米国への留学を考えてみるよう勧めた。

 その後、大使は高島宗一郎福岡市長と会い、地元経済や、米国と九州の協力を強化する方法について話し合った。

 野球の大ファンである大使にとっての九州訪問のハイライトのひとつは、ソフトバンクホークスの本拠地、福岡のヤフードームでの「ホークスカップ中学硬式野球大会」の始球式への依頼があったことだ。始球式の後、野球少年たちと会い、王貞治ベースボールミュージアムを見学した。

 次に訪れた熊本県荒尾市では、刀匠・松永源六郎さんの作業場で伝統的な日本刀作りを見学した。刀の製造過程を見た後、地元の剣士たちが日本刀の試技を大使のために披露してくれた。剣士たちは巻きわらを優美に斬り落としたが、これは刀の切れ味だけではなく、地元の人たちの日本の伝統工芸に対する思い入れも表現された素晴らしい演武だった。大使も試し斬りを体験し、最初の挑戦で巻きわらを斬り落とすことができた。

 翌日、ルース大使は、駐日米国大使として初めて8月9日の長崎平和祈念式典に出席した。大使は声明(8月7日)の中で「第2次世界大戦の 全ての犠牲者に敬意を表すため、米国政府代表として平和祈念式典に出席することを光栄に思う。現在の日米の友好関係はこれまでになく強固であると 誇りを持って言える」と述べた。

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西南学院大学の学生と対話するルース大使
未来のリーダーと記念撮影
福岡市長からの贈り物をiPhoneで撮影するルース大使
ヤフードーム(福岡市)のホークスビジョンの大画面に映し出されたルース大使
福岡ソフトバンクホークスのユニフォームを着て始球式のマウンドに立つルース大使
ストライク(に見える)!
熊本県荒尾市の刀匠松永源六郎さんから日本刀製作の技を学ぶルース大使
「鉄と炎の芸術」――日本刀の鍛錬では、玉鋼(たまはがね)を大鎚(おおつち)で叩きのばし10~15回折り重ねる作業を繰り返す
真剣での試し切りに挑戦
試し切りで切られた巻きわら(畳表)の断面
ルース大使は駐日米国大使として初めて長崎平和祈念式典に参加した(中央付近)
長崎平和祈念式典で演説する野田首相

掲載 2012年8月17日