ホワイトハウスでの記者会見におけるオバマ大統領の発言――シリア情勢に関する部分の抜粋

*下記の日本語文書は参考のための仮翻訳で、正文は英文です。

2012年8月20日

オバマ大統領 (前略)シリア情勢は、明らかに非常に難しい問題である。アサド大統領は正当性を失っており、辞任すべきであると、 私は何度も指摘してきた。しかし、アサド大統領は私の言葉に耳を貸さず、逆に自国民に対する暴力をエスカレートさせた。国際社会は「アサド大統領 はシリアを内戦に引きずり込むのではなく、政権移行に向かうべきである」との明確なメッセージを送ってきた。しかし現時点では軟着陸の可能性はかなり 低いとみられる。

 米国がこれまで表明してきたことは、第一に、確実に人道支援をしたいということであり、これまでに8200万ドルにも上る支援を実施した。騒乱 から逃れようとしている多くの難民が、ひどい状況をつくり出したり、そうした状況に陥ったり、あるいはシリアの周辺国を不安定にする結果にならないように 、おそらく米国はさらに支援を提供することになるだろう。

 第二に、米国は政権移行の方法や、少数派の権利と人権を守るために堅持すべき原則を検討するにあたり、国際社会と協議した上で反体 制派を支援すると表明した。現在、その協議が行われている。

 現時点では、シリアへの軍事的関与は命じていない。しかし、今質問があった生物・化学兵器の問題は重大だ。それはシリアだけの問題ではな く、イスラエルなどこの地域における米国の緊密な同盟国にも関係する問題であり、米国の問題でもある。生物・化学兵器が悪しき者の手に渡ることが あってはならない。

 米国はアサド政権だけでなく他の関係者に対しても、大量の化学兵器の移動や使用が確認されれば、越えてはならない一線を越えたことにな ると明確に伝えてきた。そのようなことになれば、方針を変えざるをえない。

 では、今は安全だと確信しているのか。

大統領 これほど不安定な状況では、絶対の自信があるとは言えない。米国は情勢を注意深く見守っているということだ。さまざまな 不測の事態への対応策をまとめた。米国はこの地域の全ての関係者に対し、先ほど述べたことが越えてはならない一線であり、わが国が化学兵器の移 動または使用を確認した場合には、重大な結果を招くことになると明確に伝えてある。そのような行為は、私の方針を大きく変えることになる。