アジア太平洋地域における多国間機関の重要性の高まり

*下記の日本語文書は参考のための仮翻訳で、正文は英文です。

カート・キャンベル国務次官補(東アジア・太平洋担当)

2013年1月17日

 アジア太平洋地域では地域の多国間機関がますます重要な役割を果たすようになっており、米国はそうした機関への関与をさらに強化した。東南アジア諸国連合(ASEAN)、ASEAN地域フォーラム(ARF)、東アジアサミット(EAS)、太平洋諸島フォーラム(PIF)はいずれも、共通の課題に対し共通の行動を取る上で、極めて重要な役割を果たしている。オバマ大統領は11月、この地域を訪問し、EASに出席してASEAN10カ国の首脳と会談した。オバマ大統領がこの地域を訪れたのは今回で5回目であり、米国大統領として史上初めてビルマとカンボジアを訪問したほか、タイも訪れた。 プノンペンで開催されたEASでは、地域の新たな多国間体制で米国が積極的な役割を果たすという変わらぬ決意を強調するとともに、エネルギー、海上安全保障、核の不拡散、人道援助の分野での協力を深める方法について議論した。

 7月にはクリントン国務長官がEAS外相会議とARFに出席するためにカンボジアを訪れ、地域の課題に取り組む地域機関の重要性について語った。ARFに合わせて開催された米・ASEANビジネスフォーラムにも米国から過去最大の財界代表団を率いて参加し、相互のつながりと経済成長の促進に努めた。クリントン長官はまた、メコン河下流域開発(LMI)の閣僚会議を開催した。LMIはメコン河流域圏における流行病の脅威、食料安全保障、環境、エネルギーなどの問題に取り組むために、米国の支援を受け2009年に発足した。さらにクリントン長官は8月にクック諸島を訪れ、国務長官として初めてPIF域外対話に参加した。これにより、米国が太平洋地域を一層重視していることが明らかになった。

 米国はまた、年2回開催されるアジア太平洋地域に関する米印協議や、日米印3カ国戦略対話などを通じ、アジア太平洋地域におけるインドとの対話と協力にさらに力を入れてきた。クリントン長官が述べているように、米国は戦略的にインドに賭けてきた。我々は民主的で、経済的に活力があるインドが、地域の安定と繁栄への貢献で主要な役割を果たすとみている。

 米国は、ヨーロッパのパートナー諸国との対話も深めてきた。ヨーロッパは長年にわたり、国際的な課題に対処する上で米国の最も緊密なパートナーとなってきた。我々は、アジア太平洋地域における協力の進化を、米国とヨーロッパの関係における新しい重要な一章であると考えている。この重要性については、昨年7月、ARFに合わせて開催されたアジア太平洋地域における米国と欧州連合(EU)間の協力拡大に関する第1回閣僚会合で、クリントン長官とキャサリン・アシュトンEU上級代表が明言している。