次期駐日米国大使に指名されたキャロライン・ケネディ氏の米国上院外交委員会における証言

*下記の日本語文書は参考のための仮翻訳で、正文は英文です。

2013年9月19日、ワシントンDC

 (メネンデス)委員長、コーカー筆頭委員、ならびに委員の皆さん、

 大統領から駐日米国大使として指名を受けた者として、本日、外交委員会に出席できることを光栄に思います。オバマ大統領とケリー 国務長官が私を信頼してこの要職に指名してくれたこと、そして外交委員会に私の指名を検討していただいていることに感謝申し上げます。

 本日はこのような機会を与えていただき、ありがとうございます。皆さんからの質問に答え、大変重要な日本との関係に関する、皆さんの 考えや懸念を直接伺えることに感謝します。(駐日米国大使として)承認されたならば、外交委員会や連邦議会と協力して、米国の国益を 推進し、米国民の安全を守り、日米両国のために2国間関係を強化する所存です。

 また指名承認の手続きを通じ、私を支え、大使の任務に強い関心を寄せてくれている私の家族にも感謝します。夫のエド、そして3人 の子どもたちのうちの2人、娘のタチアナと息子のジャックがここに同席しています。また叔母のビッキー(故エドワード・ケネディ上院議員の妻)も出 席しています。上院、同僚であった上院議員の皆さん、そして国家に献身的に尽くした叔父のテディの姿から、私たちは皆、刺激を受けました。 その叔父の精神は、ビッキーと共に今も生き続けています。

 私は謙虚な気持ちで、マイク・マンスフィールド、ウォルター・モンデール、トム・フォーリー、そしてハワード・ベーカーという、連邦議員の中で も最も優れた功績を残された方々の跡を継ごうとしています。承認されたならば、米国を代表し、日米関係を推進するにあたり、彼らの水準に 到達できるよう、日々努力を重ねます。またトム・シーファー大使、そしてとりわけジョン・ルース大使とスージー・ルース大使夫人には、助言と見識 を惜しみなく与えてくれことに心から感謝します。

 日本大使館からは、ご自身も素晴らしい外交官であり、長年にわたり変わらず米国の友人である佐々江大使に出席いただいています 。

 外国で自分の国を代表する以上の名誉は他にありません。私はこれまで一貫して、米国の歴史と理想をできるだけ幅広い人々、特に 若い世代の人々に知ってもらう仕事に打ち込んできました。ケネディ記念図書館館長として、世界中で、父に関係する文書をオンラインで閲覧 できるようにしたことで、父が最初の「デジタル」大統領となったことを誇らしく思います。またハーバード大学公共政策大学院の上級諮問委員会 の委員長として、次世代のリーダーたちが公共サービス分野でキャリアを積むことができるように教育し、学生たちのために国際的な機会を増や すために尽力してきました。

 私は権利章典やプライバシーの権利に関する本を書き、基本的権利についての議論に若者たちの関心を引きつけ、自由の推進と保 護に必要な手段と理解を彼らに提供しようとしました。

 私は過去10年間、教育改革の取り組みでニューヨーク市の公立学校と協力してきました。生徒たちが話す言語の数が130を超える ような学校制度において、各人の読み書き能力、文化に対する意識、大学への入学、芸術教育、国際交流プログラムを向上・強化させる努 力をしてきました。私は、官民パートナーシップの力が人々の参加を促し、成果を挙げるのを見てきたので、承認されたならば、今までの経験をも とに日米の若者の絆を強化したいと考えています。

 最後になりますが、今年は私の父が大統領の職にあったときから50年目にあたるため、この指名は特別な意味を持ちます。私は、父が 体現していた理想を堅持する責任があることを自覚しています。その理想とは、公務に専心し、より公正な米国とより平和な世界の実現に献 身的に取り組むことです。第2次世界大戦中に太平洋で兵役についた退役軍人だった父は、現職大統領として初の日本公式訪問を望んで いました。私が大使として承認されたならば、父の遺志をささやかながら受け継ぎ、2つの民主主義国家を結び付ける強い絆を代表することに、 謙虚な気持ちで取り組みます。

 日本以上に私が(大使を)務めたい国は他にありません。1978年に叔父のケネディ上院議員と共に初めて日本を訪れ、広島を訪問 して深く心を動かされました。日米両国は、政治的、経済的、文化的、戦略的絆で深く結びついており、日米のパートナーシップの影響は全 世界に及びます。両国は自由、人権、法の支配を守る決意を共有しています。日本は世界第3位の経済大国であり、米国の貿易相手国と しては第4位、対米直接投資では世界第2位です。

 日本には5万人の米軍兵士が駐留し、米国第7艦隊の基地があり、17万人の米国民が暮らしています。米国がアジアに対するリバラ ンス政策を進める中で、日米同盟は、過去50年以上そうであったように、今も変わらず地域の平和、安定、繁栄の礎です。承認されたならば 、日米安全保障関係のさらなる強化に向け、米軍指導部と緊密に協力していきます。

 同時に、日本は地域の民主主義と経済発展の推進、および世界の人道支援活動と平和維持でのかけがえのないパートナーでもありま す。私はこれらの分野に深い関心があり、承認されたならば、日米パートナーシップの歴史の中で非常に重要なこの時期に、この極めて重要な パートナーシップを一層強化することに努めます。

 今は間違いなく、日米関係の歴史において非常に重要な時期です。日本は政治的安定と経済再生の時期を享受しており、米国との 貿易と投資の拡大を強く望んでいます。承認されたならば、私は、米国の輸出促進、貿易拡大、環太平洋パートナーシップ協定のような取り 組みの支援のため、米国の経済界と協力していきます。

 さらに、将来の世代が両国の共通の歴史を理解し、両国をさらに深く結び付けられるよう、日米の学生、研究者、国民同士の交流の 促進に努めます。

 最後に、承認されたならば、日本にいる全ての米国民の福祉の向上と保護という最も基本的な責任を全うします。これには、米国政府 職員とその家族に、安全で安心できる環境を提供することも含まれます。

 私は、日本で外交に携わる米国の外交官および現地職員から支援を受けられることを特に期待しています。

 外交委員会に、私の指名を検討していただくことを感謝します。承認されたならば、外交委員会と緊密に協力し、米国の国益を推進 し、米国民を守り、日本との絆を深めていきたいと思います。