米国大使館が海洋漂流物を使った芸術作品を制作
*下記の日本語文書は参考のための仮翻訳で、正文は英文です。
2013年9月25日
在日米国大使館職員とその家族、および首都圏の学生で構成される約30人のグループが9月22日、海洋を漂流するごみの問題に対する国際的な意識を高める米国国務省の取り組みの一環として、国際海岸クリーンアップ(ICC)デーを記念し、神奈川県の鵠沼海岸で清掃活動を行いました。
このグループの活動の目的は、興味を誘う方法でごみと芸術を結びつけることで、レクリエーションの場としての海岸の価値を損ない、航行する船に危険を及ぼし、海洋生物に絡みついたり、海洋生物が飲み込んだりするごみに対する人々の注意を喚起することです。
参加者は、国務省の海洋国際環境科学局が企画した、海洋漂流物やごみを使った芸術作品を制作するプロジェクト(Marine Debris Art Challenge)の公式ホームページに、清掃活動の成果の写真を掲載するため、撮影の準備をしてこの日の活動に臨みました。海洋国際環境科学局は、ケリー国務長官が議長を務めて10月24~25日に開催される国際海洋会議の準備期間中、特に優れた作品の写真を展示することにしています。
当日、米国大使館の一行は、米国の海洋自然保護団体オーシャン・コンサーバンシーの日本のパートナーで、ICCの主催者でもある一般社団法人JEANの100人以上のボランティアと共に清掃作業を行いました。砂浜のごみはほとんどが小さなものばかりでしたが、驚くほどの量でした。しばらくごみ拾いをした後、参加者全員が集まり、全てのごみを袋から出して仕分けを始めました。収集したごみの中には、死んだ海鳥の胃袋の中でよく見つかるプラスチックの小片や、海亀が時々餌のクラゲと間違えるビニール袋がたくさんありました。
かなり大きな発泡スチロールの山ができました。何本ものロープやフジツボで覆われた傘の柄もたくさんありました。ごみを仕分した後、JEANのボランティアたちは、種類別にごみの量を記録しました。オーシャン・コンサーバンシーに送って、全世界で拾ったごみの総量のデータに加えてもらうためです。
一方、大使館チームは、花とがれきを使った作品を制作するアーティストで、福井県小浜市出身の華道家・前野博紀氏と、彼のお弟子さんたちの指導の下、主に建設廃材と、浮力をつけるために発泡スチロールに埋め込まれた竹の細片などのごみを取り分け、作品を制作しました。
子どもも大人も、ローラーや刷毛で、水浸しの木材を明るいオレンジ、青、緑、紫やピンクに塗りました。それが乾くと、前野氏が色を塗った木材と塗らなかった木材の中からいくつか選び、骨組みを作りました。この上に、鮮やかな色の材料をねじ曲げて、魚が跳ねているような形を徐々に作っていきました。
前野氏はここに、大使館チームとJEANのボランティアが色を塗った木材や竹などをさらに加えていき、最後に布で作った花でこの作品を飾りました。
出来上がった「フラワーフィッシュ」は参加者全員の努力の作品であり、米国大使館が前野氏やJEANと協力した理念を目に見える形で示す象徴でもあります。私たちは、この活動により海洋漂流物の問題により多く注目があつまり、この問題に協力して取り組む動きがみられるようになることを願っています。
(写真をクリックすると拡大できます)