ファクトシート ― ウクライナ関連の制裁措置

*下記の日本語文書は参考のための仮翻訳で、正文は英文です。

ホワイトハウス報道官室

2014年3月17日

 オバマ大統領は本日、国家非常事態の下、ウクライナに関し、以下を宣言する大統領令を発布した。すなわち、クリミア地域へのロシア軍の派遣によるものも含め、ロシア政府のウクライナに対する行動や政策がウクライナの民主主義の手続きや制度を弱体化させている。またこの国の平和、安全、安定、主権と領土保全を脅かし、資産の不正利用につながる。

 この新しい大統領令は、約2週間前に大統領が署名した大統領令13660号を拡大し、国務長官と協議のうえ、指定されたロシア政府高官、ロシアの軍需産業に関わる個人や組織、およびロシア政府高官の代理として行動し、またはこれらの高官に物資、その他の支援を提供していると認定された個人や組織に制裁を加える権限を財務長官に与える。これらの制裁措置は、ロシア政府において影響力を持つ指定された個人とウクライナ情勢の悪化に関与している人々に代償を払わせることを目的としている。我々は、状況に応じて、これらの制裁措置を直接、かつ対象を限定して実施する用意がある。

 ウクライナ危機をもたらしたロシア政府の行動を受け、新大統領令は、7人のロシア政府高官、すなわちウラジスラブ・スルコフ、セルゲイ・グラジエフ、レオニード・スルツキー、アンドレイ・クリシャス、ワレンチナ・マトビエンコ、ドミトリー・ロゴージン、エレーナ・ミズーリナを制裁の対象としている。

 米国はまた、自らの資金や影響力を利用して、ロシア政府高官を援助し、またはその代理として行動する人々にも責任を負わせる意向である。我々は、ロシア指導層が、公的立場にない個人から多大な支援を受け、こうした個人を通じて行動を取ることを認識している。我々は現在、このような個人を特定し、彼らの個人資産を制裁の対象とすることに重点を置いているが、彼らがロシア国家に代わり経営している企業は重視していない。

 この新しい大統領令のほかに、本日、財務省は、3月6日の大統領令13660号に基づき、ウクライナの平和、安全、安定、主権、領土保全を脅かし、ウクライナ政府を弱体化させる行動や政策を取ったとして、別の4人に制裁を課した。その4人とは、クリミアで活動する分離主義政府の指導者セルゲイ・アクショーノフとウラジーミル・コンスタンティノフ、ビクトル・メドベドチュク元ウクライナ大統領首席補佐官、ビクトル・ヤヌコビッチ前ウクライナ大統領である。

 本日の措置は、クリミア分離に関する違法な住民投票への支持も含めて、ウクライナの主権と領土保全を侵害する行動を取ったロシア政府に対し、自らの行動に責任を取らなければならないことを示す力強いメッセージを送った。米国は国際社会のパートナー諸国と共に、引き続きウクライナ政府を支持し、クリミア分離主義者とそのロシア側の支援者に確実に制裁を課していく。これらの措置はまた、ロシアが国際的な義務を果たし、ロシア軍を撤退させ、さらにはウクライナの主権と領土保全を尊重しなければ、米国はロシアに対する政治的、経済的制裁をさらに強化することを通告するものでもある。

  • ウラジスラブ・スルコフ ― ウラジーミル・プーチン・ロシア大統領の補佐官であるとして、制裁の対象となっている。
  • セルゲイ・グラジエフ ― ウラジーミル・プーチン・ロシア大統領の顧問であるとして、制裁の対象となっている。
  • レオニード・スルツキー ― ロシア連邦議会下院議員として独立国家共同体問題・ユーラシア統合・同胞関係委員会の委員長を務めているとして、制裁の対象となっている。
  • アンドレイ・クリシャス ― ロシア連邦議会上院議員および憲法・司法・法律問題・市民社会発展に関する委員会の委員長であるとして、制裁の対象となっている。
  • ワレンチナ・マトヴィエンコ ― ロシア連邦議会上院議長であるとして、制裁の対象となっている。
  • ドミトリー・ロゴージン ― ロシア連邦政府の副首相であるとして、制裁の対象になっている。
  • エレーナ・ミズーリナ ― ロシア連邦議会下院議員であるとして、制裁の対象となっている。
  • セルゲイ・アクショーノフ ― ウクライナの平和、安全、安定、主権、または領土保全を脅かし、ウクライナの民主主義の制度と手続きを弱体化させたとして、制裁の対象になっている。アクショーノフは自身がクリミア自治共和国の首相であると主張し、キエフの合法政府の権限を拒否した。
  • ウラジミール・コンスタンティノフ ― ウクライナの平和、安全、安定、主権、または領土保全を脅かし、ウクライナの民主主義の制度と手続きを弱体化させたとして、制裁の対象になっている。コンスタンティノフは、2014年3月11日にウクライナからの独立を宣言したクリミア議会議長である。
  • ビクトル・メドベドチュク - 「ウクライナの選択」の指導者であり、ウクライナの平和、安全、安定、主権、または領土保全を脅かし、ウクライナの民主主義の制度と手続きを弱体化させたとして、制裁の対象になっている。また資金、物資、または技術的援助をヤヌコビッチに提供したこと、およびウクライナの民主主義の手続きと制度を弱体化させる行動または政策、およびウクライナの平和、安全、安定、主権、または領土保全を脅かす行動または政策に関わった組織、またはそのメンバーがこうした行動または政策に関わった組織の指導者であることも、制裁の対象になった要因である。
  • ビクトル・ヤヌコビッチ ― ヤヌコビッチ前ウクライナ大統領は、ウクライナの平和、安全、安定、主権、または領土保全を脅かし、ウクライナの民主主義の制度と手続きを弱体化させたとして、制裁の対象になっている。キエフを捨て最終的にロシアに逃れたヤヌコビッチは、ウクライナにロシア軍を送るようプーチン大統領に要請した。