伊勢神宮でのハナミズキ植樹式におけるキャロライン・ケネディ駐日大使のあいさつ

*下記の日本語文書は参考のための仮翻訳で、正文は英文です。

2014年4月16日

 皆さん、こんにちは。日本で最も神聖な場所、伊勢神宮に私を迎えていただきありがとうございます。とりわけ、鈴木英敬・三重県知事、鈴木健一・伊勢市長、そして尾崎行雄・元東京市長の功績を記念する活動を行っているNPO法人「咢堂香風」の土井孝子・理事長にお礼を申し上げます。お忙しい中、貴重なお時間を割いてこの友好の式典にお越しいただき、ありがとうございます。

 また樹木医の萩原俊廣さんご夫妻にもお礼を申し上げます。萩原さんと奥さまには、ハナミズキの木が米国から日本に到着して以来、面倒を見ていただいており、お二人は「友好の木―ハナミズキ・イニシアチブ」の成功に不可欠な存在です。

 今日の式典に、子どもたちが参加していることもうれしく思います。なぜなら、この子どもたちは日本と米国をつなぐ未来の友好大使だからです。

 米国民から伊勢市民と日本国民の皆さんへ、この北米産ハナミズキを贈ることを光栄に思います。この木と、伊勢市内に植樹する他の31本のハナミズキは、100年以上前に日本から米国に贈っていただいた桜の木に対する、私たちの感謝のしるしです。

 桜を米国に贈った東京市の尾崎市長は、伊勢市にとってとても特別な方です。尾崎市長は生涯を通じて平和のために尽力したと思います。そしてこの木が、花と共に平和の精神をここ伊勢市に運んでくれることを望みます。

 1912年3月、当時の米国のファーストレディー、ヘレン・タフトと珍田駐米日本大使夫人が、ワシントンDCに2本の桜の木を植えました。この2本を皮切りに、3000本以上の桜の木が米国の首都に植樹されました。以来毎年、何世代にもわたり、米国人と日本人だけでなく、世界中の人々が、ワシントンDCで開催される桜祭りを楽しんできました。桜祭りは日米友好を生き生きと示すシンボルであり、それは今後何百年も続くでしょう。

 私が幼いころの思い出に、ワシントンDCの桜の季節に、母に連れられて、桜並木で有名な入り江「タイダルベイスン」の周りを歩いたことがあります。私はわずか3歳でしたが、桜がとてもきれいだったので、この時のことはよく覚えています。それに、私は新しい赤い靴を履いていて、タイダルベイスンは、歩いて行くにはとても遠かったのです。

 日米の友好のシンボルとして、美しい花を咲かせるこれらの木ほどふさわしいものは他にありません。これらの木は、長い年月をかけて強く成長することでしょう。そして両国の関係も深まり、広がっていくでしょう。

 こうした木を見てあらためて思うのは、日米同盟は、継続的な管理と世話が必要な「生きている」パートナーシップであるということです。平和への決意を維持し、新たにしていくのは、各世代の責任です。今は私たちの番です。

 鈴木知事、鈴木市長、そして伊勢市による、この意義深い、永続的な取り組みにあらためて感謝いたします。互いに理解しあう世界への道を切り開いていただき、ありがとうございます。これから、両国の間で互いに対する敬意と友好関係を深めていくことを楽しみにしています。