一般教書演説とは

オバマ大統領

2014年一般教書演説でのオバマ大統領 (© AP Images)

(State Dept./Julia Maruszewski)

*この日本語文書は国務省の国際情報プログラム課により運営されているウェブサイト「シェアアメリカ(ShareAmerica)」に掲載された記事(2015年1月16日)の参考のための仮翻訳で、正文は英文です。

  米国憲法は、米軍最高司令官の地位から、あらゆる法律の忠実な執行に至るまで、重要な権限を大統領に与えている。一方で、大統領にさまざまな義務も課しており、その中の1つは他に例をみない。それが、大統領は「随時、連邦議会に対し、連邦の状況に関する情報を提供」しなければならないという義務である。

  ジョージ・ワシントン以来多くの大統領が1年に1回、連邦議会で演説をしてきたのはこのためだ。大統領就任演説を除けば、一般教書演説は大統領が行う演説の中で最も注目を集める。

  しかし一般教書演説が説得力のある名演説となることはほとんどない。「一般教書演説はさまざまな大統領演説の中でも、特に風変わりだ」と、クリントン大統領のスピーチライターであったジェフ・シェソルは言う。政権内のどの部門も見落とされたくないので、それぞれが演説で言及してもらおうと懸命に働きかける。

  今年は1月20日にオバマ大統領が6回目の一般教書演説をする。

  ヨーロッパで戦火が広がっていた1941年1月6日にフランクリン・ルーズベルト大統領が行った「4つの自由」についての演説は例外だが、一般教書演説はさまざまな提案を羅列するだけになりがちだ。ときには大統領が重要な政策を発表することもある。ジョージ・ブッシュ大統領が2003年にアフリカでエイズ (AIDS) と闘う計画を提案したときがそれに当たる。この米国大統領エイズ救済緊急計画 (PEPFAR) は法制化され、後にオバマ政権が受け継いだ。

  国葬と大統領就任式を除けば、一般教書演説は米国政府の立法府、行政府、司法府が同じ部屋(下院議場)に会する唯一の機会だ。聴衆は大統領に常に同意するとは限らないが、その夜は関係者が一堂に集まることと、そしてもちろん話に耳を傾けることの重要性をあらためて認識する。

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掲載 2015年1月22日