ファクトシート:「女子に教育を」(LET GIRLS LEARN)イニシアチブ

*下記の日本語文書は参考のための仮翻訳で、正文は英文です。

ホワイトハウス報道官室

2015年3月3日

概要

  オバマ政権は本日、「女子に教育を」(Let Girls Learn)イニシアチブを通じて、世界中の十代の少女が学校に通い、教育を修了できるようにする取り組みを拡大していると発表した。

 この新しい取り組みは、世界各地でこれまでに我々が行った初等教育に対する投資や収めた成果を基盤にこれをさらに押し進め、十代の少女が教育を修了し、より大きな夢を追求できるようにするものである。

 世界では6200万人の少女が学校に通っていない。その半数が十代である。このような少女たちは経済機会を奪われ、HIV/エイズに感染しやすく、早婚や強制結婚、その他の形態の暴力を受けやすい。

 一方、質の高い教育を受けた少女は人並みの収入を得て、健康で、教養ある家庭をつくり、自分自身、家族および自分が住む地域社会の生活水準を向上させる傾向が強い。さらに、少女が中等教育を受けることと、晩婚化・出産年齢の高齢化や、産婦・乳児死亡率、出生率、エイズ感染率の低下には相関がある。世界銀行の調査によると、中等教育を1年受けるごとに、少女の将来の収入力は18%上昇する。

 この新しい取り組みは、米国国際開発庁(USAID)が昨年の夏に始めた「女子に教育を」イニシアチブへの幅広い参画を求めるキャンペーンを拡大するものである。「女子に教育を」イニシアチブは、紛争地域や危機的状況にある地域などで現在展開中のプログラムを拡充し、官民パートナーとの連携を活用する。連携関係を増やし、他の組織や各国政府に世界中の十代の少女の境遇を向上させるためのリソースを提供するよう呼びかけていく。

 「女子に教育を」イニシアチブの主要な構成要素は、十代の少女が教育を修了するのを妨げる障壁を減らす地域社会主導型の解決策を奨励・支援することである。この新たなイニシアチブは、ミシェル・オバマ大統領夫人と平和部隊の取り組みを通じ、地域社会の策定・主導による少女の教育プロジェクトを世界各地で支援するものである。

ミシェル・オバマ大統領夫人と平和部隊―地域に根ざした解決策を支援

  ミシェル夫人は過去6年間、さまざまな場所への訪問、地元の指導者や「若いアフリカ指導者イニシアチブ」(Young African Leaders Initiative)のマンデラ・ワシントン特別研究員(Mandela Washington Fellows)との会合、専門家や国際的な教育提唱者との協議を通して、地域に根ざした解決策が世界各地で教育への障壁を取り除く力になっていることを直に学んだ。

  平和部隊は60カ国以上の途上国に約7000人のボランティアを派遣し、すでに家庭や地域社会の指導者と協力している。平和部隊のボランティアたちは日々の草の根の開発活動を通じて、すでに地域社会と連携し、学校に通いたい十代の少女が直面している障壁を把握できる状況にある。

  これにより、このような障壁を取り除く新たな地域社会プロジェクトが多数誕生することになる。この取り組みを支援するため、平和部隊は何千人ものボランティアおよび何万人もの地域社会の指導者を訓練し、地域の指導者と連携して地域に根ざした解決策を見つけ、新たに何百人ものボランティアを募集、訓練、配置する。

  「平和部隊連携プログラム」(Peace Corps Partnership Program :PCPP)は、ボランティアと官民部門を結びつけ、小規模で持続可能な地域主導型の草の根プロジェクトへ資金を提供する。詳細はhttps://letgirlslearn.peacecorps.gov/

  平和部隊の「女子に教育を」プログラムは、世界各地で段階的に導入される。最初の年は、アルバニア、ベニン、ブルキナファソ、カンボジア、グルジア、ガーナ、モルドバ、モンゴル、モザンビーク、トーゴ、ウガンダの11カ国を対象とする。その翌年から他の国でも導入していく。

  この取り組みへの支援を表明している機関は以下の通り。

  • ブルッキングス研究所―「女子教育に向けた志およびリソースの活用のための共同体(Collaborative for Harnessing Ambition and Resources for Girls’ Education : CHARGE)」との連携の一環
  • ケア(CARE)
  • ガールライジング(Girl Rising)
  • 米国ガールスカウト
  • 教育のためのグローバル・パートナーシップ(Global Partnership for Education : GPE)
  • 全米平和部隊協会(National Peace Corps Association )
  • PBSラーニング・メディア(PBS LearningMedia)
  • 国連基金/ガールアップ(UN Foundation/Girl Up)

  詳細はhttp://www.WhiteHouse.gov/LetGirlsLearn

「女子に教育を」および十代の女子教育を支援する政府横断的な取り組み

 米国政府機関は「女子に教育を」イニチアチブを通じて横断的に連携し、世界各地の十代の少女が直面するさまざまな課題の解決に取り組む。各省庁は戦略的な連携関係を構築し、十代の少女の成功を後押しする外交的取り組みを拡充する。この取り組みは、十代の少女が学校教育を受けることや、大人になって潜在能力を発揮することを妨げる複雑かつ多様な障壁に対処するため、政府が横断的に実施している幅広いプログラムを拡大するものである。教育、女性の地位向上/リーダーシップ、保健と栄養、ジェンダーに基づく暴力の防止、児童婚、早婚、強制結婚の防止、2国間および多国間パートナーとの連携に関するプログラムがある。現在展開中のプログラムの事例は以下の通り。

教育プログラム

  • 「教育を通じた十代の少女の地位向上」(Empowering Adolescent Girls to Lead through Education : EAGLE)プロジェクトは、コンゴ民主共和国(DRC)での女子教育の推進に力を入れている。プロジェクトは5年間で、「大統領緊急エイズ救済計画」 (U.S. President’s Emergency Plan for AIDS Relief : PEPFAR)とUSAIDから1590万ドルの資金援助を受けており、保健、HIV/エイズに関する啓蒙、自尊心に関するセッションなどを通じて、DRCの十代の少女に教育、生活のためのスキル、リーダーシップスキルを身につけさせることを目指す。このプロジェクトには、学校が関係するジェンダーに基づく暴力を減らすための教員研修やプログラムが含まれる。EAGLEは小学生3000人に奨学金を支給し(EAGLE奨学生)、女子の初等教育から中等教育への進学を促し、中学校課程の修了率を高めていく。
  • USAIDはリビアで「女子の学習機会へのアクセス向上」 (Girls Opportunities to Access Learning: GOAL)プラス・プロジェクトを通じて、7000人以上の少女が60校の小学校で初等教育を受ける支援をしている。このプログラムは、女子の就学状況の改善に取り組むPTAに補助金を出すほか、制服、学習用品、リュック、衛生用品を購入するための奨学金を支給する。また教員向けの特別研修や指導、図書館へのリソース提供も行うが、これは学校および教員が女子の通学を歓迎・支援するようにするためである。
  • USAIDは「教育・保健活動を通じた少女の地位向上」 (Girls Empowerment through Education and Health Activity: ASPIRE)をマラウィで展開し、12万5000人以上の十代の少女の教育・健康状態の改善に取り組んでいる。ASPIREは小学校高学年女子の読解力を向上させて、将来に備えさせる。また十代の少女を最も効果的に支援できるよう、教員、親、地域社会に研修を提供する。
  • USAIDヨルダン事務所では、多数のシリア難民の学生を受け入れている管理者や教員に研修や教材を提供している。研修を受けた教員の約75%が女性で、ほとんどが小学校高学年や中学校で教え、十代の少女にとっての教育環境改善を促している。
  • ミレニアム・チャレンジ・コーポレーション(MCC)はエルサルバドルで1億70万ドルを投じ、エルサルバドルの学生の教育およびスキル開発の質を向上させている。また、同国の教育省のジェンダー政策の策定およびジェンダー部門の組織化を支援し、教育省のビジョン、戦略、計画、プロセスに十代の少女の教育向上に関する意見や助言を提供する。
  • MCCはグルジアで1億2250万ドルを投じ、科学、技術、工学、数学(STEM)分野の教育の質の向上と少女および少数民族の収入力の強化に取り組んでいる。このプロジェクトでは、約80校の学校に最新式の科学実験室、男女別トイレ、多目的トイレを導入するほか、中等教育に携わる科学、数学、英語教員全員と2000人以上の校長を対象に、少女や少数民族の参加を奨励する手法について研修を実施する。
  • USAIDはカリフォルニア大学ロサンゼルス校 (UCLA)のバークル・センターと連携して、個人が女子教育を支援する行動を起こす機会を紹介する世界規模の広報キャンペーンを開始した。米国の著名人およそ30人がこの取り組みに賛同し、世界の教育支援プログラムに新たに2億3000万ドル以上が拠出された。

地位向上・リーダーシップに関するプログラムおよびイニチアチブ

  • 国務省は中東・北アフリカ地域で、アラブ系の十代の少女たちが自分たちの地域社会で社会問題を研究し、ビデオ制作を通じて問題を熟考する場所を提供するプログラムに資金援助をしている。このプログラムは、多くの十代の少女を含む若者を教育し、民主主義および人権についての国内ならびに地域での対話に影響を及ぼす。
  • 国務省はルワンダで、若い女性を対象に、技術開発が急速に進む時代で優位に立つために必要な、科学、技術、工学、芸術・デザイン、数学分野の知識やスキルを教えるキャンプ(Girls STEAM)の実施を支援している。STEM分野での女性の進出に関して、国際的に根強い男女数の不均衡を是正することを目指している。
  • 2014年に開始されたUSAIDの「国家優先プログラムにおける男女平等推進プロジェクト」(Promoting Gender Equity in National Priority Programs Project: Promote)は、教育を受けた若いアフガニスタン女性にスキル、経験、知識の向上とネットワーク拡大の機会を提供し、将来の政府、ビジネス、市民社会の指導者を育成する。プログラムは5年間で、14~18歳の少女も参加し、アフガニスタンの変革の10年に全面的に参加するために不可欠なリーダーシップスキルを身につける。
  • 我々は2012年9月に、世界中のパートナー諸国や機関と連携し、法律、規制、政策改革を通じて女性の政治的、経済的な地位向上を妨げている障害を取り除く「平等な未来への連携(Equal Futures Partnership)」 を発表した。この連携への取り組みには、女性とSTEM教育、女性起業家と市民教育、女性および少女のリーダーシップ育成への支援が含まれる。

保健・栄養プログラム

  • PEPFARは先ごろ、少女が確固たる決意と活力を維持し、社会的な力を得て、エイズに感染することなく、よき指導者に恵まれて安全な生活を送る(Determined, Resilient, Empowered, AIDS-free, Mentored, Safe)機会を得られるようにするために、2億1000万ドルの官民連携プログラム「DREAMS」を開始した。ビル&メリンダ・ゲイツ財団、ナイキ財団と連携して、HIV感染率の高い最大10カ国を対象に十代の少女や若い女性の新たなHIV感染の減少を目指す。
  • USAIDアフガニスタン事務所は、毎週の鉄分配合葉酸の補充および半年ごとのぎょう虫駆除を正規・非正規の教育制度に統合し、10~19歳の女子の思春期貧血を予防する活動でUNICEFを支援している。

ジェンダーに基づく暴力(GBV)対策プログラム

  • 国務省およびUSAIDは2013年以降、人道上の緊急事態が生じた際のGBVの防止・対応を強化する「セーフ・フロム・ザ・スタート」(Safe from the Start)イニチアチブに2200万ドル以上を投じている。
  • 米国政府は「ジェンダーに基づく暴力への緊急対応・保護イニシアチブ」(Gender-based Violence Emergency Response and Protection Initiative)に資金を拠出し、十代の少女を含む、極端な形態のGBVや有害な伝統的慣習の被害者に、短期的な緊急支援を世界各地で提供する。このイニチアチブは、各国政府、司法および市民社会の主要な構成要素がGBV対策の法律を実施するに当たっての総合的な研修も支援する。研修セッションはエイボン財団とのパートナーシップから資金提供を受けている。
  • 米国政府はタンザニア、モザンビーク、コンゴ民主共和国において、PEPFARの「ジェンダーに基づく暴力イニチアチブ」(Gender-based Violence Initiative)を通じ、GBVの予防・対応プログラムに5000万ドル以上を拠出している。
  • USAIDヨルダン事務所は、ヨルダンの地域社会がGBVに対する理解を広め、被害者への支援制度を強化し、地域社会でGBVを受け入れにくい状況をつくる「私には伝えたいことがある 」(I Have a Story)キャンペーンを支援する。このキャンペーンは、若者や映画同好会を活用して、メディアとの連携関係や観衆同士の信頼関係を構築し、意識変革や教育を促す。
  • 国務省はギニアで、国務長官の「女性の全面的参加を促す基金」 (Full Participation Fund)から150万ドルを拠出するプロジェクトを通じて、女性器切除(FGM/C)の慣習から弱い立場にいる少女を守る活動を支援している。このプロジェクトは、ギニア全土で複数のメディアによる啓蒙活動を実施し、ギニア政府、UNICEF、ならびに宗教、保健、メディア、市民社会のネットワークなど主要なパートナーと協力して行動変革を促している。

児童婚、早婚、強制結婚防止プログラム

  • USAIDバングラデシュ事務所は、「人権推進」 (Promoting Human Rights)プロジェクトを支援している。このプロジェクトは、地元の非政府組織、政府および学校と共に、対話、権利擁護活動、ロール・プレーイング、対話型ゲームを通じて、家庭内暴力、児童婚、早婚、強制結婚、およびセクハラの問題に対処している。地域社会の指導者、議員、専門家、法執行機関の職員、宗教指導者で構成され、USAIDが支援する、地域社会を基盤とした団体の直接的な介入により、1年だけで382件の児童婚、早婚ならびに強制結婚を阻止した。
  • 女子の7人に1人が15歳の誕生日までに結婚するエチオピアで、USAIDは少女、少女の家族および地域メンバーとの「コミュニティ会話」を促進し、児童婚、早婚、強制結婚の影響を話し合い、十代の少女たちによる社会的、身体的、経済的資産の構築を促進している。娘をもつ家庭には、学用品を支給し、娘を学校に通わせることを妨げる経済的障害を取り除く支援をする。2年間のプログラム期間中に娘を結婚させなかった家庭には、羊またはヤギを報奨として与える。このプロジェクトを早期に評価した結果、2年間のプログラム終了時点で、実験対象地区に住む10~14歳の少女が結婚する可能性は90%低いことがわかった。

2国間および多国間パートナーとの連携

  • USAIDは、「教育のためのグローバル・パートナーシップ」を引き続き支援する。これは途上国、援助国政府、国際機関、民間部門、教員、市民社会・非政府組織とのパートナーシップであり、全ての子どもたちを就学させ、質の高い教育を受けさせることに重点を置いている。
  • USAIDはパキスタンで460万ドルを投じ「安全な学校イニシアチブ」を支援する。このプログラムは、北ワジリスタンから避難してきた5万3000人の子どもたちを対象とする教育サービスを運営し、被害を受けた地域の立ち直る力の強化を支援する。仮設学習センターでこれまでに1万人以上の子どもが学んでおり、その約半数が女子である。またおよそ100人の教員が心理社会的支援、保健・衛生促進、困難な環境での教授法について研修を受けている。
  • ナイジェリアでは、北部で200人以上の女子生徒が誘拐された事件など、学校に通う子どもたちへの襲撃の増加に対応し、「安全な学校イニシアチブ」(Safe Schools Initiative)信託基金が設立された。米国政府はこのプログラムを支援するため200万ドルを寄付した。このプログラムはナイジェリア北東部、特に、ボルノ州、ヨベ州、アダマワ州で起きている紛争で被害を受けている何千もの子どもたちの教育ニーズに応えることを目的としている。
  • 米国政府はUNESCOと連携した「国連識字の10年」基金に120万ドルを拠出し、南スーダン各地の識字能力育成センター、および学校に通っていない少女の読み書き能力の向上を目的とした230人の教員を対象とする研修を支援している。
  • 米国は「国連グローバル・エジュケーション・ファースト・イニシアティブ」(UN Global Education First Initiative : GEFI)を支援する16カ国の一端を担う国として、教育をグローバル政策課題の最優先事項に引き上げ、全ての子どもを就学させ、教育の質を向上させ、グローバル市民を育成することを目指す。