世界の女子教育向上のための日米連携

The White House
Office of the First Lady

*下記の日本語文書は参考のための仮翻訳で、正文は英文です。

2015年3月19日

 世界では6200万人の少女が学校に通っていない。その半数が十代である。このような少女たちは経済機会を奪われ、HIV/エイズに感染しやすく、早婚や強制結婚、その他の形態の暴力を受けやすい。

 一方、質の高い教育を受けた少女は人並みの収入を得て、健康で、教養ある家庭をつくり、自分自身、家族および自分が住む地域社会の生活水準を向上させる傾向が強い。さらに、少女が中等教育を受けることと、晩婚化・出産年齢の高齢化や、産婦・乳児死亡率、出生率、エイズ感染率の低下には相関がある。世界銀行の調査によると、中等教育を1年受けるごとに、少女の将来の収入力は18%上昇する。

 米国は今月初め、オバマ大統領およびミシェル・オバマ大統領夫人のリーダーシップの下、「女子に教育を」(Let Girls Learn)イニシアチブを通じて、世界中の十代の少女が学校に通い、教育を修了できるようにする取り組みを拡大していると発表した。この新しい取り組みは、米国を含む国際社会がこれまでに世界各地で行った初等教育に対する投資や収めた成果を基盤にこれをさらに押し進め、十代の少女が教育を修了し、自らの可能性を実現できるようにするものである。

 日本もまた国際教育で指導力を発揮している。基礎教育支援モデル「スクール・フォー・オール」という概念の下、教育施設の改善、教育の質の向上、地域社会に開かれた学校の推進、学校運営や保健・栄養状態の改善を通じ、教育を向上させようとしている。日本は、国際社会がこの概念を共有していることを理解するとともに、米国、国際機関、非政府組織(NGO)、途上国政府、地域社会など、他の援助提供者による包括的な取り組みが、女子教育を持続可能なものにする鍵となっていると確信している。

 我々は本日、米国と日本がこの非常に重要な分野で連携し、両国が共有する開発課題の中で女子教育の優先度を高めることを発表する。両国はこのイニシアチブを通じ、学校、地域社会、教育行政と連携し、女子の学習環境の改善で協力していく。

 世界の経済大国である日米が連携すれば、変化をもたらすことができる。「女子に教育を」イニシアチブを支援するため、オバマ大統領は2016年度の予算要求に、新規および再配当分で2億5000万ドルを盛り込んでいる。日本は、少女の地位向上およびジェンダーに配慮した教育を対象とする政府開発援助として、2015年から3年間で420億円以上を拠出する。

連携の内容

  1. 平和部隊と、青年海外協力隊(JOCV)を運営する国際協力機構(JICA)は、覚書を取り交わすことで協力を正式なものにする。
    • 平和部隊とJOCVとの戦略的連携は広範囲にわたり、さまざまな活動を網羅する。特に、カンボジアをはじめとした世界各国と現場で協力しながら、女子教育の向上に重点的に取り組む。JOCVは初等・中等教育、スポーツ、体育の分野で女子の参加を促すため、平和部隊との協力を拡大していく。
  2. 日米は各国政府とともに、それぞれの2カ国間援助プログラムで女子教育への取り組みを強化する。
    • 米国は、米国国際開発庁(USAID)、国務省、平和部隊、および政府全体が現在拠出している資金および展開中のプログラムをさらに拡充し、質の高い教育・医療へのアクセスの改善に取り組み、世界中の十代の少女が直面する暴力など、教育を受ける妨げになる障壁を取り除いていく。
    • 日本は、2016年から始まる国際教育協力の新たな政策において女子教育を優先課題とする。さらに東南アジアにて、小学校、中学校、高校の校舎建設・拡張のための援助を拡大する。これにより2万人の十代の少女が好ましい学習環境で学べるようになると見込まれている。
  3. 米国と日本は、女子教育の問題に重点的に取り組む国際機関やNGOに積極的に関与し、女子教育を支援する。
    • 例えば、オバマ大統領は2016年度の予算要求に、「教育のためのグローバル・パートナーシップ」への米国の拠出額を従来の水準から40%引き上げ、7000万ドルにすることを盛り込んでいる。日本は国連ウィメン(ジェンダー平等と女性のエンパワーメントのための国連機関)への今年の拠出額を2000万ドルへと倍増する。