北朝鮮に関する協議後に行われた国連安全保障理事会での会見におけるパワー米国国連大使の発言

*下記の日本語文書は参考のための仮翻訳で、正文は英文です。

2016年2月25日、ニューヨーク市

 米国は本日、北朝鮮の先ごろの核実験、およびその後の国連決議に違反する弾道ミサイル発射に対する(制裁)決議案を国連安全保障理事会に提出しました。この決議案が採択されれば、過去20余年で最も強力で全く新しい安保理の制裁になるでしょう。

 決議の主な条項についていくつかご説明します。史上初めて、北朝鮮に出入りする全ての貨物が強制検査の対象になります。また北朝鮮への全ての小火器およびその他の通常兵器の輸出が初めて禁止されます。さらに北朝鮮の銀行および資産に金融制裁を科し、核およびミサイルなど軍事利用される可能性がある物品(の取引)を禁じます。

 加えて、これもまた初めてとなりますが、安保理は北朝鮮に分野別の制裁を課します。北朝鮮からの石炭、鉄、金、チタンならびにレアアース鉱物の輸入を制限、場合によっては全面的に禁止し、北朝鮮への航空機燃料、とりわけロケット燃料の供給を禁止します。また禁輸品の輸送が疑われる北朝鮮の航空機を強制的に着陸させることが可能になります。違法な物品の輸送が疑われる船舶の入港も禁止されます。

 この制裁案が採択されれば、北朝鮮に明白で揺るぎないメッセージを送ることになります。すなわち、国際社会は北朝鮮の核拡散を容認しない、北朝鮮の行動には責任が伴う、そして我々は一致団結し、容赦なく北朝鮮の核開発を阻止するというメッセージです。

 制裁案が採択され、完全に実施されれば、過去の安保理制裁と比較し、北朝鮮に対する圧力は大幅に増すことになります。今回の制裁は範囲が広く、さらに多くの北朝鮮の弱点を突くものです。また他の条項が確実に実施されるようにするための前例のない禁止条項があります。中でもとりわけ注目に値するのは、北朝鮮に出入りする貨物の強制検査です。

 さらに今回の制裁により、北朝鮮による違法な核および弾道ミサイル計画の推進に必要な資金調達、技術の輸入、ノウハウの獲得がより困難になります。

 国際社会の取り組みにもかかわらず、10年以上にわたり北朝鮮は、核弾頭を搭載する大陸間弾道ミサイルの開発という目標を宣言し、それを目指して段階的に計画を進めてきました。国際社会は北朝鮮にその目標を達成させるわけにはいきません。米国は北朝鮮の目標達成を容認しません。

 はっきりさせておきたいことがあります。この決議は、北朝鮮国民を罰しないよう配慮されています。北朝鮮国民は、史上まれに見る残忍な政治体制の下で、すでに多大な苦難を味わってきました。この制裁はむしろ、北朝鮮国民の幸福よりも核および弾道ミサイル開発計画を常に優先させて国民に苦痛を強いてきた、北朝鮮を支配するエリート層に的を絞ったものです。

 北朝鮮が危険な核兵器開発で国際社会の安全を脅かし続ける限り、米国とそのパートナー諸国は、我々共通の安全を危険にさらす北朝鮮の能力を妨げ、自らの行動に対する責任を取らせるため、強力で厳格な制裁を追求します。北朝鮮の行動が速やかに変化する見通しについては、今も幻想を持たず現実的に考えています。しかし、強力な制裁により危険な核開発の野望を改めた国の例はこれまでにもありました。今こそ、北朝鮮に対しこの手段を行使すべき時です。我々は、北朝鮮に対して包括的で強力な、前例のない制裁を発動するため、国連安保理と連携することを期待しています。